県庁おもてなし課













5/5は神戸出張だったため、
新幹線で一冊の小説を読み切りました。

人気作家・有川浩です。

『図書館戦争』 などでもお馴染みです。
読んでいないかたは、
アニメ作品か映画をご覧になるといいです。

図書館戦争













有川浩は、ラノベ作家としてデビューしましたが、
主にハードカバー展開しているということで、
その認識はされていません。

そういう意味で、すごく不思議な作家です。

映画化で話題の『県庁おもてなし課』という作品を読んでみました。
400ページ以上の大作ですが、
3時間あれば十分読み切ってしまいます。

その理由は、

① 読みやすい
② 内容が薄い
③ 難しい漢字がない
④ 展開が読みやすい


ということです。

まさにライトノベルの正統派作家です。

そして、有川浩がすごいのは、
さらりと読めてしまうのに、

爽やかな風を感じられる。

読後感がいい! というのは満足感につながります。

今回のテーマは、県庁と民間企業(出版社)の対比、
県庁職員と作家の恋愛の対比、
が描かれているのですが……。

個人的には、どこがいいのか? わかりませんでした。

『図書館戦争』では、図書館が武装するというファンタジーが入り、
そのなかでのラブコメ展開があったことで、
惹きつけられた読者は多かったと思います。

ですが、今回のテーマのようにノンフィクションに近い作品は、
作家の力量が明白になるため、
その取材力の浅さ、記述の説得力のなさに、
読むのがつらかったです。

なんというか、すべてが予定調和で、
新鮮さや実験的な試みがない、というか。

私自身、それほど現代小説を読んでいないので
偉そうなことを言えませんが、
分野によっての得手不得手があるんだ、
ということを認識させられた本でした。

これは小説というよりもシナリオに近く、
映像化されたもののほうが、
きっと数倍面白いものになる可能性があります。

そういう観点からみると、
やはり、ラノベ作家なんだなあ、
と思います。

ラノベとは、本を書いて終了ではなく、
それが二次創作、三次創作されることを前提に
創作意欲を掻き立てられる作品である必要があるのです。

有川浩は、そこまで見据えて書いている作家のような気がします。

もしそれが事実だとすると、とんでもない作家だと思います。

今日はここまで。